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ハエを使って宇宙でガン治療薬の調査?ALSにも応用されうる手法が確立されるか

こんにちは、佐々木亮の宇宙ばなしへようこそ。今回は、国際宇宙ステーションで行われる予定のがん治療薬の効果検証についてお話しします。この実験では、症状媒(ショウジョウバエ)を使って、がん治療薬の効果が重力によってどのように変わるのかを調べます。さらに、この研究はALS(筋萎縮性側索硬化症)などの遺伝子系の病気の解決策を模索する手段にもなり得るということで、非常に注目されています。

この研究は、北海道大学の遺伝子病制御研究所が提案したもので、症状媒を使ってがん治療薬の効果を検証します。地上での実験では、微小重力環境を模擬した条件下でがん治療薬の効果が薄れることが確認されました。これを受けて、実際の宇宙空間での実験が必要とされているのです。大西宇宙飛行士がこの実験を担当し、症状媒を宇宙に持ち込み、無重力環境でのがん治療薬の効果を検証します。

実験の手順としては、遺伝子組み換えされた症状媒を宇宙に持ち込み、宇宙空間で交配させて次世代の幼虫を育てます。これにがん治療薬を含む餌を与え、無重力環境での効果を検証します。14日間飼育した後、凍結して地球に持ち帰り、効果を分析します。このアプローチが成功すれば、がん治療だけでなく、ALSなどの遺伝子系の病気の研究にも応用できる可能性があります。

この研究は、宇宙空間での実験が今後どんどん増えていく中で、非常に重要なステップとなります。国際宇宙ステーションの運用が2030年までとされる中、民間の宇宙ステーションがその役割を引き継ぐことが期待されています。これにより、宇宙での研究や実験の機会が増え、今回のような研究がさらに進展することが期待されます。

今回のエピソードでは、がん治療薬の宇宙での効果検証について詳しくお話ししました。興味を持たれた方は、ぜひApple Podcastでお聴きください。Apple Podcastはこちら

※アイキャッチ画像はNASAのpublic domainのgalleryから取得しています。

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